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文献概要
特集 第11回臨床眼科学会号 一般講演
左右眼別色調識別閾
著者: 田畑静江1
所属機関: 1東京女子医大眼科
ページ範囲:P.243 - P.249
文献購入ページに移動緒言
片眼のみの先天異常色覚,あるいは左右眼で色覚型の異なる異常色覚者の報告例は,きわめて少ない1)。これらと後天異常を除けば,一般に両眼の色覚は同一であると考えられ,それに対してなんらの疑も抱かれていないのが現状である。しかしそれを積極的に証明した実験報告は,私の知るかぎりでは,残念ながら見出すことができなかつた。また,もし両眼の色覚が異なるものがかなり存在するとすれば,それらは片眼先天異常色覚などとともに,色覚の生理ならびに遺伝などに非常に大きな示唆を与えるものといえよう。
そこで,私ども2)がさきに比較的容易に色調識別閾を測定しうる装置を考案した機会に,色覚の3属性中もつとも重要な色調に対する識別能を,健常者ならびに第1,第2異常の左右眼別個について検索してみたところ,現在の通念とはかなり異なつた結果をえたので,それをここに報告する次第である。
片眼のみの先天異常色覚,あるいは左右眼で色覚型の異なる異常色覚者の報告例は,きわめて少ない1)。これらと後天異常を除けば,一般に両眼の色覚は同一であると考えられ,それに対してなんらの疑も抱かれていないのが現状である。しかしそれを積極的に証明した実験報告は,私の知るかぎりでは,残念ながら見出すことができなかつた。また,もし両眼の色覚が異なるものがかなり存在するとすれば,それらは片眼先天異常色覚などとともに,色覚の生理ならびに遺伝などに非常に大きな示唆を与えるものといえよう。
そこで,私ども2)がさきに比較的容易に色調識別閾を測定しうる装置を考案した機会に,色覚の3属性中もつとも重要な色調に対する識別能を,健常者ならびに第1,第2異常の左右眼別個について検索してみたところ,現在の通念とはかなり異なつた結果をえたので,それをここに報告する次第である。
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