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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科12巻3号

1958年03月発行

文献概要

特集 第11回臨床眼科学会号 一般講演

弱視について(第1報)

著者: 原田政美1 林慎一1

所属機関: 1東大眼科教室

ページ範囲:P.352 - P.356

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緒言
 「弱視と云う名を完全に消滅させることが,眼科学の最も大きな任務の一つである」とは,萩原教授が常に説かれている処である1)。即ち古代に於ては,すべての視力障碍は弱視の名で呼ばれていたが,検査法の進歩に伴い,その中から逐次新らしい病名を持つた疾患が分離されて行つて,往昔弱視と称せられていた診断名で,今日殆んど用いられなくなつているものが少なくない。然し現在尚弱視と呼ばれている視力障碍があり,今や吾々の努力は,これ等残された一群に向けられなければならない。諸外国ではこれ等に関する厖大な研究が行われていて,特に治療面では劃期的な進歩を遂げている。然し我が国に於ては,弱視を主題にした系統的研究は皆無であり,早急な対策が望まれる。このような目的の下に弱視の研究に着手し,若干の知見を得たので報告しようと思う。
 観察対象は,東大病院眼科外来を訪れた患者の中,次に述べる定義に合致した弱視81例で,内訳は内斜視51例,外斜視11例,著明な斜視のないもの(非斜視)19例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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