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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科12巻3号

1958年03月発行

特集 第11回臨床眼科学会号

一般講演

トノグラフイーの緑内障診断に於ける価値

著者: 岸本正雄1 上野一也1 芥川徹1

所属機関: 1京大眼科

ページ範囲:P.393 - P.400

文献概要

 諸種の臨床的検査を併用した成績によって原発性緑内障と確診し得た32眼(単性緑内障16眼,慢性欝血性緑内障13眼,若年性緑内障3眼)に計46回トノグラフィーを行つて,その成績から本法の緑内障診断に於ける利用価値を検討した。
 嚢に正常100眼に行つた成績と比較すると緑内障眼のCは低値の方にその分布が偏つてはいるが,緑内障眼のCと正常眼のCとの分布に可成りの幅の重複があり,我々の正常眼の測定成績から0.1に満たないものを病的低下,0.10-0.14をborderline,0.15以上を正常範囲と見做すと,検査回数の中52.2%は病的減少を示したが,bord-erlineに入るものが21.7%,正常範囲値に入るものが26.1%あつた。トノグラフィーの成績のみを以てすれば正常範囲値は緑内障から見逃されることになり,borderline のものはいずれとも決断が出来ない。
 Becker and Christensenに倣って比Po/Cを算出して100又はそれ以上を病的として集計してみると,緑内障眼の成績中病的のものは78.3%となり,Cのまゝよりも摘発率は可域り良くなつたが,一方正常眼中にも病的値のものが16%もあつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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