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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科12巻3号

1958年03月発行

特集 第11回臨床眼科学会号

一般講演

Corneal Contact Lens装用による角膜組織化学的変化の推移

著者: 平野潤三1

所属機関: 1名古屋大学眼科

ページ範囲:P.431 - P.445

文献概要

緒言
 従来の眼鏡の代りに,直接眼球に接触する屈折系を作つて視力障碍を改善しようとする試みが行われてから,すでに一世紀有半を経るという21)。併しながらこれが実用的なcontact lens (以下C.L.)として広く臨床的に使用されるに至つたのは漸くこゝ数十年来のことである。その間,出来るだけ苦痛を少く,簡便に,長時間の装用を可能ならしめるためにC.L.の材質の研究,装着法の工夫,型の改良等が盛んに行われ,欧米に於いては数多くの使用経験,臨床諸統計が発表され,優れた専門書すら刊行されている。我が国に於いては,戦後漸く水谷豊氏によつてこの方面の研究が開拓され,次第に多数の賛同者を得て今日広く実用化されるに至つた事は周知のところである。近年,単に屈折異常の矯正に眼鏡に優る種々の利点が認められるのみならず,今日迄他の方法では企て及ばなかつた諸種の先天性竝びに後天性眼異常がC.L.の使用によつて救済の道が開かれるようになり,その上最近二,三の診断的応用も試みられ,更に着々とその適応範囲を拡げつつある。我が教室に於いてもすでに日常診療に不可欠な利器とすらなつている。然るにその普及がすすむ一方,これの誤用による角膜障碍例55)57)66)の報告もまた屡々見られるようになつた。そこで若し我々がC.L.装用による角膜変化の実際を知り,その本態を究め得るならば,C.L.の使用法もおのずから定まり,臨床上にも益せられるところが多かろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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