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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科12巻3号

1958年03月発行

文献概要

特集 第11回臨床眼科学会号 一般講演

眼科領域から見た高血圧症者の治療経験について

著者: 樋渡正五1 飯島亨1 大戸建1 斉藤紀美子1

所属機関: 1同愛記念病院眼科

ページ範囲:P.515 - P.520

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I.緒言
 高血圧症の研究は1836年のBright氏の腎性高血圧の記載以来その原因,診断,経過,予後,治療及び高血圧に伴う合併症等に就いての幾多先人の努力にも拘らず,その本態及び原因の判明したものは極めて僅かに過ぎず,大多数は尚原因不明の本態性高血圧の名のもとに一括されている現状であつて,現在に於ても我々の関心事の一つであり,殊に最近老年者の生命が延びるにつれて動脈硬化症と共に大きくクローズアツプされて来た感がある。その原因,診断,経過,予後に関しては之を他に譲り,少くとも治療1つに限定しても幾多新薬の出現は以前とは或程度異つた見方を我々に与えてくれる。
 高血圧症の治療は脳卒中の予防のみならず,之に伴う各種の愁訴や精神的不安定状態の除去に役立つのみならず,心,腎,脳に於ける各種合併症の発生,増悪防止に対して,極めて重要である反面,雑多な薬が無批判的に使用されている傾向がなきにしもあらずである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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