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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科12巻4号

1958年04月発行

臨床実験

白内障の薬物的治療に関する研究—其の5 カタリンの中毒量及び致死量に関する研究/白内障の薬物的治療に関する研究—其の6 カタリンの性質と其の使用法に就いての解説

著者: 荻野周三1

所属機関: 1阪大眼科

ページ範囲:P.591 - P.599

文献概要

 先に私は白内障進行停止に著効を有するカタリンの合成に成功し1),本薬剤の毒性をモルモツト肝臓のミトコンドリヤ活生値より検詞を加え,モルモツトに20mgを毎日連続2週間注射してもミトコンドリヤ活性値には障碍をあたえぬ事を証明した2)。この事実からカタリンは生体に及ぼす障碍が極めて少い事が判るが,詳細な中毒量,致死量等に就ては更に検討を要する様に思える。
 本論文は白鼠を使用して体重の増減,尿中クエン酸及びアセトン体の排泄等からカタリンの中毒量,致死量等に検討を加えたものである。中毒量ないしは障碍量判定に尿中アセトン体,クエン酸排泄を検討した理由は,前報の様にミトコンドリヤ活性値を一応生体の普辺的な活性の尺度とみると,ミトコンドリヤ活性値(TCA廻路活性値)の減少は当然体内にクエン酸の蓄積をみる結果となり,更にTCA廻路運行障碍の結果脂肪酸化代謝もおかされて,体内にアセトン体も蓄積するであろうとの予想をたてたからである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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