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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科12巻4号

1958年04月発行

臨床実験

後天性近視に対する低周波治療法

著者: 松下和夫1 谷美子1 和田秀明1

所属機関: 1大阪市交通局病院眼科

ページ範囲:P.655 - P.661

文献概要

I.緒言
 近視の罹患率は,大正年間より漸次上昇し,1937年頃にはその頂点に達した。その後,第2次大戦中,及び戦後には,一程度減少していたが,1952年頃から再び増加の傾向が著しい。文部省調査局統計課の発表によれば,1955年度には,小学生男9.34%,女11.27%,中学生男13.56%,女16.86%,高校生男22%,女24.2%の近視が存在すると云う。1950年度には,高校生男約11%,女約13%であつたから,高校生の近視は毎年2〜3%づゝ増加し,わずか5年間に実に2倍に増加した訳である。最近,秋谷氏等は,金沢市内某高校の近視は,1年生38.3%,2年生40.9%で,昭和12年(1937年)頃の最も多かつた時代を梢々凌駕することを認めている。
 近年,結核をはじめとして多種の疾患が専ら減少の一途を辿つている今日,この近視の急激な増加は,まさに時代に逆行するもので,社会衛生上憂慮すべき問題であろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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