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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科12巻5号

1958年05月発行

日本トラホーム予防協会々誌

Trachomaは伝染するか?しない!

著者: 金田利平1

所属機関: 1札幌天使病院眼科

ページ範囲:P.35 - P.38

文献概要

 Tr.は伝染するかと私がいえば読者の多くは今時何をいうかTr.が伝染病だとは何人も認めている事実でありTr.の病原体はVirusだとも一般に認められているではないかTr.が伝染するかしないかに就て今頃疑義をいうなんて事は全く問題にならん論外だと多くの方々は否定されるでしようが,それじや私は其等否定される方々に「Tr.が一定の病原体Virusによる伝染病だと主張するのであるならばそのTr.病原体たるVirusが健康結膜に感染した場合どれ程の潜伏期間を経てどの様な症状を呈しつゝ発病しどの様な症状を呈しつゝ経過して吾々のいう教科書に記載している様なTr.となるのであるかと。そして此等潜伏期間,初発症状及び其後の経過は各年令によつてどの様に異るのか或は異ならないものなのか具体的に何人からも特に私から異議を唱えられない様に明確に解説出来ますか」と反問しますが明確に解説出来ないでしよう。出来ないでは感染源,感染経路,感染,潜伏期,初発症状其後の経過という伝染病としての根本問題が不明確では,わからないでは,Tr.は一定の病原体による伝染病だと主張出来ないし,Tr.二原論を主張する私がTr.は伝染するのか,しないと主張しても,それを完全に否定出来ないでしよう。例えばNataf氏が1955年日本にTr.調査のため来られ大阪大学でTr.に就て論じた記事が眼紀5巻5号に掲載されてある。その一部分を再記し私見を述べてみよう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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