文献詳細
文献概要
臨床実験
ロイコマイシンに関する研究補遺
著者: 斎藤三郎1
所属機関: 1新潟大学眼科教室
ページ範囲:P.749 - P.759
文献購入ページに移動 Leucomycin (以下LMと略す)は北里研究所の秦藤樹教授等(1953)が新放線菌Streptomy-ces Kitasatoensis, Hataの培養濾液から抽出した新抗生物質で,その有効範囲はErythro-mycin (Ilotycin)(IT),Carbomycin (Mogna-mycin)(MM)に類似するが,これらと異なる物質で,主として嫌気性菌を含めたグラム陽性菌及び陰性菌の一部(Neisseria,Hemophilus),スピロヘータ,リケツチヤ,大型ビールス等に対して試験管内及び生体内にてよく作用する。然し結核菌,グラム陰性桿菌,真菌等には効かないと云う。
LMの性状に就ては遊離塩基は白色又は微黄色の苦味ある安定な結晶性粉未で100℃,2時間の加熱で変化なく,水溶液中ではPH6.0で100℃1時間加熱で変化はないけれどもPH6.0以下に於ては同一条件下で完全に破壊される。水に対する溶解度は極めて低いが,Methanol,Ethanol等には可溶である。この塩基を酒石酸にて処理するに容易に塩を形成して酒石酸塩となる。このものは水に易溶性で,Alcohol,Acetoneにも可溶であるが,Ether難溶,Benzene不溶で,やゝ吸湿性である。
LMの性状に就ては遊離塩基は白色又は微黄色の苦味ある安定な結晶性粉未で100℃,2時間の加熱で変化なく,水溶液中ではPH6.0で100℃1時間加熱で変化はないけれどもPH6.0以下に於ては同一条件下で完全に破壊される。水に対する溶解度は極めて低いが,Methanol,Ethanol等には可溶である。この塩基を酒石酸にて処理するに容易に塩を形成して酒石酸塩となる。このものは水に易溶性で,Alcohol,Acetoneにも可溶であるが,Ether難溶,Benzene不溶で,やゝ吸湿性である。
掲載誌情報