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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科12巻5号

1958年05月発行

文献概要

臨床実験

鼻涙管通過障害の原因としての顔面神経麻痺の意義について(症例考察)

著者: 長嶋孝次1

所属機関: 1京都府立医大眼科学教室

ページ範囲:P.769 - P.771

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緒言
 慢性涙嚢炎は,鼻涙管通過障害(狭窄乃至閉塞)に続いておこることが多く,この通過障害が多くは結膜疾患から下行性に,或は,鼻腔副鼻腔疾患から上行性に,炎症の波及するに由ると,一般に既に認められているところであるが,結膜に炎症を有するもの,或は,鼻腔疾患を有するものゝすべてが,涙道疾患をおこしてくるとは言えないであろう。従つて,こゝに当然,何らかの発病素因が考えられる。従来,曰く遣伝的関係,曰く骨壁の構造の個人差,曰く涙分泌過剰等々1),種々の問題がとりあげられて来た。涙道疾患は必ずしも単一な素因のもとに発病するものではないであろうが,私2)は,涙嚢機能の個人差としての,その弱小も一素因をなしているのではないかと推察した。このことに関連して,次に一症例を挙げ,鼻涙管通過障害の原因としての顔面神経麻痺の持つ意義について考察を加えたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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