文献詳細
文献概要
臨床実験
緑内障の治療(第Ⅰ報)—ピロカルピンに就いて
著者: 景山万里子1 河本正一1
所属機関: 1東京警察病院
ページ範囲:P.877 - P.882
文献購入ページに移動I.緒論
ピロカルピンは,緑内障に用いる最も普通の薬剤であるが,これに対する私共の智識は案外に少い様である。これは通常,朝昼晩という風に,1日数回用いられている。しかし,私共は,実際にこの様な方法で,殆んど効果の無かつた者が,一時に数回,衝撃的に点眼して,著しく流出率が増し,眼圧下降を来たした数例を経験し,点眼方法による効果の違いを検討する事にした。又,一方ピロは濃度を高めて10%迄用いられているが,Sugarは2%以上の濃度にしても,効果はあまり変らないと述べている。しかし,これ等の点について,参考となるべき記載は見当らない。私共は,ピロの1%1回,10分(或は5分)間隔で4回,4%を3分間隔で2回,という3つの点眼方法を用い,緑内障に於ける眼圧下降の状況を追求した。尚,同時に,瞳孔径,球結膜の状況,Tonographyによる前房水の流出率,産生量等をも調べた。緑内障は個々の症例によつて,薬剤の効果が異るので,その症例の大要は「緑内障の視野」という題目で,別に発表する予定である。
ピロカルピンは,緑内障に用いる最も普通の薬剤であるが,これに対する私共の智識は案外に少い様である。これは通常,朝昼晩という風に,1日数回用いられている。しかし,私共は,実際にこの様な方法で,殆んど効果の無かつた者が,一時に数回,衝撃的に点眼して,著しく流出率が増し,眼圧下降を来たした数例を経験し,点眼方法による効果の違いを検討する事にした。又,一方ピロは濃度を高めて10%迄用いられているが,Sugarは2%以上の濃度にしても,効果はあまり変らないと述べている。しかし,これ等の点について,参考となるべき記載は見当らない。私共は,ピロの1%1回,10分(或は5分)間隔で4回,4%を3分間隔で2回,という3つの点眼方法を用い,緑内障に於ける眼圧下降の状況を追求した。尚,同時に,瞳孔径,球結膜の状況,Tonographyによる前房水の流出率,産生量等をも調べた。緑内障は個々の症例によつて,薬剤の効果が異るので,その症例の大要は「緑内障の視野」という題目で,別に発表する予定である。
掲載誌情報