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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科12巻7号

1958年07月発行

文献概要

臨床実験

網膜色素変性症に対する抗凝血剤Indionの臨床的効果について

著者: 坂上道失1 宗保人1

所属機関: 1慶大眼科

ページ範囲:P.1023 - P.1034

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 Phenylindandioneは又一名をPhenindioneフエニンジオン(N.N.R.)とよばれる薬剤であつて,化学構造的には2-phenyl-v-1,3-indandioneで示される無臭の淡黄色結晶である。さて本薬剤の臨床的効果については多くの研究がなされている。即ちKabat,Stohlman,Smith氏等は1944年にIndandione (命名は1947年)は抗凝血剤として臨床的に使用出来ることを報告した。そして同氏等はIndandioneがProthrombin産生を阻止する作用を有することを報告し,且その効果がDicumarolより急激であることを述べた。又Chalmer,Dixon氏等により1954年に本薬剤はVitamin Kに拮抗する作用を有することが認められている。本薬剤が臨床的に登場したのは抗凝血剤として,血管内に於ける血液凝固が病因となる疾患,心梗塞,脳栓塞,肺栓塞等に対しての効果が期待されたからであつた。さてこのような血栓形成阻止剤としては本剤に加えてHeparin,クマリン誘導体が挙げられることは周知である。そして本剤の主作用は血漿中の凝血因子であるProthrombinと安定因子の生成を減少せしめ,血液の凝血能を低下させるものである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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