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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科13巻1号

1959年01月発行

文献概要

臨床実験

副腎皮質ホルモンの角膜創傷治癒に及ぼす影響—(第6報)穿孔性角膜創傷時に於けるアルカリ性フオスフアターゼの組織化学的研究並びにアルカリ性フオスフアターゼに及ぼすプレドニゾロン,コーチゾンの影響

著者: 高尾泰孝1

所属機関: 1東北大学眼科

ページ範囲:P.29 - P.42

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I.緒言
 穿孔性角膜創傷治癒に及ぼす副腎皮質ホルモンの影響について私は第1報から第3報までは各種ステロイドの差違を組織学的に検討したが,第4報に於ては,実験的無菌的炎症眼及び第二房水に及ぼすプレドニゾロンとコーチゾンとの消炎効果を家兎房水蛋白量を化学的に定量することに依り検討し,併せてこれらステロイドの局所投与(結膜下注射)による局所刺激作用について実験した。又この際基礎実験として家兎前房蛋白量及び血清蛋白量を決定し,更に第二房水産生機転に就いても論じた。第5報に於いては,角膜創傷治癒機転に関して再検討を加え,従来信ぜられた様に角膜上皮再生は遠隔部の細胞分裂によるとする上皮移動説には多くの疑点があり,創傷治癒にあたりては創傷局所の上皮細胞,角膜固有細胞,内皮細胞の増殖肥大がその主因をなすものであると述べた。
 今回は炎症性変化と密接な関係があると云われるアルカリ性フオスフアターゼ(以下A.P-ase)に就いて,穿孔性角膜創傷部を組織化学的に検索し,併せてこのA-P-ase反応に及ぼすプレドニゾロン及びコーチゾンの影響について実験を行い新知見を得たので以下これについて述べることとする。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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