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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科13巻1号

1959年01月発行

文献概要

臨床実験

血圧と関係ある2〜3の眼底所見について—(その8)網膜細動脈硬化と心電図所見との関係について

著者: 加藤謙1 松井瑞夫1 島崎哲雄1 野崎道雄1

所属機関: 1慶大眼科

ページ範囲:P.43 - P.46

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I.緒言
 われわれは,前報迄に於て,動静脈交叉現象を主要目標として判定した網膜細動脈硬化の程度と血圧並びに年齢との関係を種々分析検討を行つた結果,著明なる細動脈硬化(交叉現象Ⅱ〜Ⅲ度)の発生及び進行の主要因子は,血圧上昇そのものか,又は持続的血圧上昇と密に関連した因子であつて,単なる年齢的因子は殆んど関与しない。併し軽度の交叉部異常所見(Ⅰ度所見)は,血圧因子の関与ももとより否定しがたいが,年齢的因子に左右せられるようであるとの結論に達した。
 さて,本態性高血圧症の転帰として重要なるものは,腎硬化症及び腎不全,脳血管障害,心臓障害等であるが,今回は,網膜細動脈硬化程度分類の臨床的意義の解明の一端として,心臓障害と網膜細動脈硬化の程度との関係を追及する目的で,心電図所見と網膜細動脈硬化所見との関係に就き,2〜3の検討を行つたので,その結果を報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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