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臨床実験
多発性脳脊髄硬化症2例の眼所見について
著者: 伊藤清1 前田良治1 塩原光次1
所属機関: 1慈恵医大眼科教室
ページ範囲:P.51 - P.56
文献購入ページに移動多発硬化と球後視束炎の関係は最近の眼科学界の重要課題となつている。多発硬化は本邦に於ては極めて稀であるとするのが定説であつたが桑島氏は之に対し疑義を唱え漸く眼科,内科,神経科領域に於て注目を惹くに至り,近年本邦に於ても漸くその報告例が多くなつて来た。
1868年Charcot氏の挙げた三徴候,即ち眼球震盪,企図振顫,断綴言語は既に古典的なものとされ症状の多様性と寛解との存在が本症の診断基準とされる様になり球後視束炎の意義も又再認識されねばならなくなつて来た。最近私達は多発硬化と診断された2例の眼所見を検索する機会を得第1例は炎性視神経萎縮とRuckerの記載せる如ぎ網膜静脈白鞘を認め,更にCharcotの三徴候を具備し又第2例は球後視束炎の症状を示した症例を経験したので茲に報告する。
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