文献詳細
臨床実験
文献概要
I.緒言
家族性角膜変性の多くはGraenouw (1890)のいう結節状角膜変性,Haab (1899)のいう格子状角膜変性,及びEehr (1904)のいう斑状角膜変性に属するものであるが,此等と異つた1種の家族性角膜変性がある。即ち大正3年中泉氏1)が「稀有な角膜変性に就て」と題して報告したもので,角膜表面に半球状の膠様小隆起を生ずるのを特徴とし,昭和7年清沢氏8)は之を「膠様滴状角膜変性」と命名し,現在迄に我が国に於て27家系41例の報告1-21)がある。しかし本症の成因,本態に至つては未だ殆んど不明である。著者は本症と思われる2家系3例を経験したので,その臨床所見並びに角膜移植術施行の際に採取した角膜全層の病理組織所見を報告し,現在迄の報告例と比較検討して少しでも本症の本態の究明に資したいと思う。
家族性角膜変性の多くはGraenouw (1890)のいう結節状角膜変性,Haab (1899)のいう格子状角膜変性,及びEehr (1904)のいう斑状角膜変性に属するものであるが,此等と異つた1種の家族性角膜変性がある。即ち大正3年中泉氏1)が「稀有な角膜変性に就て」と題して報告したもので,角膜表面に半球状の膠様小隆起を生ずるのを特徴とし,昭和7年清沢氏8)は之を「膠様滴状角膜変性」と命名し,現在迄に我が国に於て27家系41例の報告1-21)がある。しかし本症の成因,本態に至つては未だ殆んど不明である。著者は本症と思われる2家系3例を経験したので,その臨床所見並びに角膜移植術施行の際に採取した角膜全層の病理組織所見を報告し,現在迄の報告例と比較検討して少しでも本症の本態の究明に資したいと思う。
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