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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科13巻10号

1959年10月発行

文献概要

臨床実験

眼精疲労の臨床的観察—第3報 総括及び病型に関する1提案

著者: 保坂明郎1 高垣益子1

所属機関: 1東京医科歯科大学眼科

ページ範囲:P.1327 - P.1329

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I.総括及び考按
 石原氏は腺精疲労を定義して「眼を使う仕事を続けてすれば,じきに疲れて前額部の圧迫感,頭痛,視力減退等を起す状態」と述べ,桐沢氏,中村氏等も同様に定義している。畑氏,大草氏もほぼ同様であるが,畑氏は「…を起すに至る一種の神経機能障碍を総称する」とし,大草氏は「…を伴う一連の症候群」と記載している。梶浦氏は,「視機能を明快にしようと意識した努力をする時に起る全身,殊に眼の症候群」としている。これらは表現の相違があるにしても眼精疲労を症候群とする点では一致しているが,石原氏等の記載は簡明に過ぎて誤解される恐れがある。
 患者が眼の疲れを訴える場合,単に眼局所の不快感,疲労感をさす場合と,能率の低下や全身の疲労感,精神の不安定感等を背景に持ち,多くは頭痛を伴う視疲労をさす場合とがある。この両者は区別出来ない場合もあり得るが,明かに別箇の状態で,前者は疾患の症状の1つであるが,後者は1つの症候群であつて,私共はこれを眼精疲労と解釈する。私共の対象としたのはこの種の患者である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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