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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科13巻10号

1959年10月発行

文献概要

臨床実験

眼疾患に対する2,3新抗生物質の治療効果—第3報 テトラサイクリソ枸櫞酸ソーダ混合剤

著者: 松浦みわ子1 田沢英子1 涌沢章郎1

所属機関: 1東北大学医学部眼科

ページ範囲:P.1335 - P.1341

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緒言
 今日,各種の抗生物質及び化学剤の進歩により眼科領域でも一般感染症の治療乃至予防は著しく容易となつて来ている。各種の抗生剤中テトラサイクリン(TC)系物質(オーレオマイシン,テラマイシン,アクロマイシン)は広域スペクトル抗生物質としてビールス,リツケツチア性疾患及びスピロヘータ,原虫にも有効と云われ注目されているが,中でも殊にテトラサイクリンは副作用が少く安定性,溶解性の点からみても,すぐれているとして各科領域で広く使用されている。但し経口投与後の血中濃度が比較的低い事及び吸収に個人差が著しい事が大きな欠点とされていた。此の理由はTCが腸管内でAl,Mg,鉄,Cal等の金属イオンと結合して不溶性の金属塩を作り便中に排泄されるためと分り,之等の金属イオンとの結合によるTCの不活性化を阻止し,TCの腸管よりの吸収を出来るだけ良くするために,TCに緩衝剤としてヘキサ・メタ燐酸ソーダを配合したアクロマイシンV (以下AC-Vと略す)が作られた。AC-Vについての実験成績も既に相当数報告されているが,現在の所従来のTCに比して抗菌力に顕著な差は認められないが,消化管よりの吸収が極めて早く且つ良好で従つて血中濃度も高く,特にその血中蓄積が長く,明らかにTCに勝ることが証明されている。
 更に最近緩衝剤としてヘキサ・メタ燐酸ソーダの代りに枸櫞酸ソーダを添加したAC-Vがレダリー会社から作られた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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