icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科13巻11号

1959年11月発行

文献概要

第9回綜合医学賞入選論文

緑内障手術の効果判定法について

著者: 神鳥文雄1 藤永豊1 黒瀨芳俊1

所属機関: 1鳥取大学医学部眼科教室

ページ範囲:P.1421 - P.1432

文献購入ページに移動
緒言
 緑内障に対しvon Graefeが1856年に虹彩切除を行つて,著効のあつたことが判明して以来,それぞれの緑内障に対して種々な手術治療が案出され実施されている。然しながら手術が完全な効果があつたか否かに関する検査方法が殆んど欠除していて,僅に視力視野の経過と眼圧の推移より判断する外なかつた。それがために緑内障に対する手術治療は甚だ悲観的であつて,術後多くのものが病の増悪,視機能の低下を招来することを嘆じている。緑内障の診断には1925年Troncosoによつて隅角鏡が発見され臨床的の応用が拡大された。又1950年GrantによつてTonographyが,1952年Duke Elderによつて負荷試験が緑内障診断に導入されて以来,初期緑内障及び低眼圧緑内障に対する診断が甚だ容易になつて来た。故にこの方法を用いて診断のみでなく,緑内障手術の効の有無を判定し,再手術の要不要を決定し,術後の予後の予測する上に利用せんことを試み実施した。その結果は甚だ有効適正であつたので,その結果を報告し其の利用性について論及しよう。之を次の2篇に分ちて述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?