文献詳細
臨床実験
文献概要
I.まえがき
転移性眼窩癌腫については内外諸家の報告があり,欧米では乳癌の転移が最も多く,肺癌がこれに次ぐと言われている(Boulanger,1956年)。しかるにわが国の報告を通覧すると,胃癌からの転移(5例)が最も多く,次いで乳癌(4例),肝癌(2例),膵,中耳,子宮及び卵巣癌(各1例)となつており,肺癌または前立腺癌の転移例は未だ報告されていない。
私共は,骨盤転移を有する前立腺癌患者に現われた眼窩腫瘍が,女性ホルモンの投与,除睾術およびコーチゾン療法により,原病竈の軽快に伴つて著明に縮小した例を経験した。
転移性眼窩癌腫については内外諸家の報告があり,欧米では乳癌の転移が最も多く,肺癌がこれに次ぐと言われている(Boulanger,1956年)。しかるにわが国の報告を通覧すると,胃癌からの転移(5例)が最も多く,次いで乳癌(4例),肝癌(2例),膵,中耳,子宮及び卵巣癌(各1例)となつており,肺癌または前立腺癌の転移例は未だ報告されていない。
私共は,骨盤転移を有する前立腺癌患者に現われた眼窩腫瘍が,女性ホルモンの投与,除睾術およびコーチゾン療法により,原病竈の軽快に伴つて著明に縮小した例を経験した。
掲載誌情報