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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科13巻12号

1959年12月発行

文献概要

談話室

アメリカのコンタクトレンズの現況—見聞記(1)

著者: 水谷豊1

所属機関: 1日本コンタクトレンズ研究所

ページ範囲:P.1569 - P.1571

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1) finished lensとUncut Lens
 我国では,個々のレンズを注文する時でも,レンズを大量にストツクする場合でも,完成したレンズをメーカーから送つて貰う。処方さえ適切であれば,このレンズで患者は大体満足するものである。所がアメリカでは上のどちらの場合でも,uncutのレンズを注文するのが多い。Uncut Lensとは未完成のレンズであり,レンズの直径は大きく10.5〜11.0mmで,レンズの縁は全然仕上げてない。
 術者はこのレンズを一々けずり,大きさを小さくして,縁をとり,丁度歯科医が義歯を合わせる技巧と同じような処理によつて,個々の患者にレンズを合わせている。従つて,各自に夫々我国のMKマイクロマシンの様な器械を診療室の側に設備しているし,これらの研磨器械が各メーカーから,様々の構造で販売されている。Uncut Lensがアメリカで流行している理由は3つ考えられる。1つはアメリカの様に,レンズの価格の高い所ではfinished Lensに比してUncut Lensの方が遙かに安価である為であり,第2にはfinished Lensがメーカーから送られても,それが万一調子の悪い時そのレンズを再三メーカーに送つていては,術者も患者も無駄な時間と経費とを消費する為に,各自で手直しした方がよく,若しそうであれば,初めから自身でレンズを修正して合わせた方が便利であるというためである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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