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特集 第13回臨床眼科学会号 一般講演
某クロス工場において問題となつた色合せ作業偏向者の色感について
著者: 飯沼巖1 東城初治1 安藤純1 保田正三郎1 川崎善和1 竹内誠輔1 上野山謙四郞1
所属機関: 1和歌山医大眼科
ページ範囲:P.167 - P.172
文献購入ページに移動健常色覚者の色感を一律に規制することには多分に問題がある。同一人の右眼と左眼を比較してみてさえ,外界の物の色の感じ方が異ることのあるのは,日常たまたま経験する所である。まして個体を異にする場合その色感の個体差が存することも当然であり,このことはanomaloscopeのRayleigh均等値の不一致として屡々認められる。
健常色覚と雖も,その水晶体や黄斑部その他の変化によつて個々の色感に相違を生じ,又各種各程度の眼疾患によつても色覚の相違を来すことはこれまで諸家によつて述べられ,著者等の中飯沼,安藤他も既報において考按したことがある1)2)。これ等後天異常の他に所謂先天異常の諸様相があり,健常者の範囲,異常者との境界をどの様に決めるかば,微妙な問題であろう。
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