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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科13巻2号

1959年02月発行

文献概要

特集 第13回臨床眼科学会号 一般講演

視野計測法の検討—Flicker視野の新しい測定法

著者: 水川孝1 湖崎弘1 中林正雄1 大鳥利文1

所属機関: 1阪大眼科

ページ範囲:P.235 - P.241

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I.まえがき
 Magnus氏(1877)によれば,ギリシヤ・ローマ時代より既に視野という概念があり,見える範囲には一定の限界があること,更には二,三の疾患について視野に変化のあることも知られていたといわれる。しかしながら,始めて視野について論文を書いたのはUlmus氏(1602)であり,視野についてはじめて信頼すべき観察をしたのはThomas Young氏(1801)で,彼は既に視野外界を角度を以て正確に表現している。(上方50°,内方60°,下方70°,外方90°)又von Graefe氏(1855)は,"Untersuchung des Gesichtsfeldesbei amblyopischen Affektionen"の中で眼疾患診断のために視野測定を用いているが,この論文こそ日常臨床における視野測定の必要性を明確にしたものと言うことが出来る。しかし,当時の測定法には平板のみが用いられ,網膜中心部のみが探求されたに過ぎなかつた。ところが,Aubert&Förster氏(1857)が"BeCiträge zur Kenn-tnis des indirekten Sehens"を発表して以来,網膜周辺部の機能の探求が始り爾来視野測定はCampimeterの時代よりPerimeterの時代へと移つた。彼等は,白色視標のみならず色視標についても観察し殊に色の認識に対する背景の影響について詳細な研究を行つた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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