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特集 第13回臨床眼科学会号 一般講演
角膜創傷の生化学的研究
著者: 高木義博1 敷島文治1
所属機関: 1徳大眼科
ページ範囲:P.256 - P.262
文献購入ページに移動 角膜創傷治癒経過の組織学的研究は,先人により数多く行われているが,角膜実質層の大部分を占めるムコ多糖類,コラーゲンの消長に関する研究は甚だ少ない。又角膜ムコ多糖類の消長と血管新生との間に重大な関聯性のあることがMeyer& Chaffee(1940)1)によつて述べられて以来,これに関する研究が行われて来たが,両者の間に一定の関聯性を確認する迄には到つていない。更に角膜にアルカリ腐蝕を加えた場合,BraunとHaurowitz2)3),Hughes4)は角膜実質より塩基性色素によりメタクロマジーを起す物質の脱出することを認め,Meyer & Chaffee (1946)5)は角膜のヘキソザミンを定量してアルカリ腐蝕の際にこの値の著明な減少を認めたが,François & Ra-baey6)は外傷又は炎症時角膜実質の多糖類総量が減少するのではなくて,実質浮腫により単位容積中の多糖類の減少が起つたときに,メタクロマジーの消失があるといい,前述の人々と異なつた意見を述べている。私共はこれらの諸点を明かにするために,ウナギ角膜の酸,アルカリ腐蝕,切開創の治癒経過における多糖類及びコラーゲンの変動を調べたので此処に報告する。
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