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特集 第13回臨床眼科学会号 一般講演
眼球乾燥症に対する耳下腺排出管の結膜嚢内移動手術
著者: 神谷貞義1 堀内徹也1 畠山昭三1 阿部圭助1 松村敏昭1
所属機関: 1奈良医大眼科教室
ページ範囲:P.295 - P.303
文献購入ページに移動眼球乾燥症に対する治療は従来色々の方法が行われて来たが,これらの治療法はいづれも不確実で,単に一次的なものであつた。1950年Filatovが初めて眼球乾燥症に本手術を試み,以後1955年までに80例行つて良好な結果を得た。続いてKatznelson,AO,YenとLee,Hsia,Lao,最近ではBennettとBailey等の報告がある。殊に中共の報告は第1表に示す如く,眼球乾燥症に対して耳下腺分泌液はすぐれた活剤である事を示し,その理由として,耳下腺と涙腺は組織学的に良く似ている事,耳下腺分泌液は透明で眼に無害且つ無刺激である事,耳下腺分泌液と涙液はその化学組成に大差がない事,耳下腺分泌液は涙液の如く持続的に分泌する事,耳下腺排出管の移動後も消化には何等支障のない事等をあげている。
しかし本邦でに未だこの手術についての報告はない。吾々は唾液腺造影法を応用して,犬に於ける基礎実験,死体解剖による実験を経て臨床的に7症例に応用したので茲に報告する。
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