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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科13巻2号

1959年02月発行

文献概要

特集 第13回臨床眼科学会号 一般講演

流行性角結膜炎の臨床,特にACFの効果について

著者: 今泉亀撤1 新津重章1 渥美健三1 小林准平1 妹尾博1 藤田宏1

所属機関: 1岩手医科大学眼科教室

ページ範囲:P.311 - P.324

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I.緒言
 1938年Schneiderが初めて命名した流行性角結膜炎は,極めて伝染性の強い疾患であり,欧州及び米国に於て第二次世界大戦中に特筆すべぎ大流行を来し,又我国に於ても青木氏等の詳細な報告以来,数多くの報告に接している。近時本疾患の本態に関して多くの実験がなされ,病毒の分離固定が成功してから,現在ではビールスによる流行性の疾患であることが略々決定ずけられている。最近では地方的に本症の大流行を見たと云う報告はないが,毎年或る時期に必ずこれらの患者が多く外来を訪れることは吾々のひとしく経験する所である。たまたま当眼科の病室内に於て,昭和31年4月と,昭和32年6月との2回に,はからずも本症の集団発生を見,入院患者86名中26名,即ち30.2%の罹届者を出したが,何れも夫々1人の感染源から次々と感染した入院患者である為に,系統的に諸般の詳細な臨床観察を行うと同時に,現在迄特に優れた治療法或は予防法がないとされていた本症に極めて有効な療法を試みる機会を得たので,その成果を報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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