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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科13巻2号

1959年02月発行

文献概要

特集 第13回臨床眼科学会号 一般講演

前房レンズに関する研究—試作レンズによる基礎実験

著者: 牧治1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.346 - P.359

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I.緒言
 白内障に対する手術的療法がDavielによつて始められてから約200年の間に,その内容は長足の進歩を遂げて来ているが,それは前処置,手術法,後療法に関する面が主であつて,術後の視機能回復に関しては見るべき発展が最近までなかつたように思われる。即ち無水晶体眼,殊に片眼無水晶体眼の矯正の際に見られる像の拡大,中心からそれた部分の像のゆがみ及び移動,視野の狭小等を正常に回復させようという試みは少ない。Gullstrand-RohrのKatral-linse,TscherningのKataraktlinse,又最近ではコンタクトレンズが試みられて居り,コンタクトレンズはこの目的に可成り沿うものと思われるが,猶Haptics,Optics両面から完全に満足し得るものでないことは言うを俟たない。
 之の解決に,最近合成樹脂製レンズを眼内に手術的に挿入する試みが始められ,無水晶体眼のみならず,更に高度屈折異常の矯正をも含め,眼内レンズ移植の考えは多くの研究者により進歩がもたらされている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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