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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科13巻2号

1959年02月発行

文献概要

特集 第13回臨床眼科学会号 一般講演

二焦点コンタクトレンズの研究—第1報 理論的考察(共の1)

著者: 水谷豊1

所属機関: 1日本コンタクトレンズ研究所

ページ範囲:P.492 - P.494

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Ⅰ.緒言
 コンタクトレンズが長年の研究の結果として,容易に終日レンズの装用が可能になつたために,眼科臨床上に,大きくクローズアツプされ,多くの適応症に利用されるようになつた事は喜ばしい事である。光学的に見ても,コンタクトレンズは眼鏡レンズに比して,総てのレンズの非点収差やプリズム効果が除去され,網膜像の大きさの変化も少なく,視野が広く,又外見上,眼につかない許りでなく,眼鏡レンズで矯正の出来ない円錐角膜,角膜不正乱視,高度近視眼,不同視眼,無水晶体眼等の治療にも,特効的に作用する事は周知の事であり,眼鏡レンズに比して,多くの優位を示して来た。然し乍ら,他面に於いて眼鏡レンズに及ばない欠点もある。その1つは老視に対する非適応である。老視眼は近業時にのみ異常を訴えるために,近業時のみの眼鏡を必要とし,遠見と近見とでは異つたレンズを必要とするわけである。残念乍ら,近業の都度近業用のコンタクトレンズを装脱する事は,眼鏡レンズの掛けはづしに比して,眼内装作を必要とする関係上,取扱いに衛生上の注意を要し,繁雑さを伴い,更に二焦点眼鏡レンズの有する特性の遠近両用に,1つのレンズを以て役立たせるという事は,コンタクトレンズでは不可能な事であつた。最近アメリカ及び英国に於いて,この問題に就いての検討がなされている報告に接したので,著者自身も新しく二焦点コンタクトレンズの研究,製作,臨床応用に著手する事になつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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