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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科13巻2号

1959年02月発行

文献概要

特集 第13回臨床眼科学会号 一般講演

網膜剥離の治癒見込推定に関する考究—其の1 術前の安静による網膜剥離自然減少の有無と手術成績—其の2 手術中乃至終了時の剥離減少の有無と手術成績

著者: 岸本正雄1

所属機関: 1京大眼科教室

ページ範囲:P.506 - P.519

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緒言
 Goninによつて網膜剥離に対して裂孔閉塞手術が初めて打立てられてより以降の,網膜剥離手術成績に関する多数の統計的観察の結果は,観点を転じて見れば,とりもなおさず手術予後を左右する条件に関する一定の原則を求めるべく検討したものとも見ることが出来る。我々が多数の網膜剥離を扱つて来た経験を回顧すると,個々の例に於いて,一見治り難くそうに見える剥離で,手術によつて迅速に容易に復位したものもある一方,非常に治り易そうに見えるもので,予想に反して治り難いものに遭遇することがある。個々の例について正確に手術予後を予言することの困難性は,Goninの著書1),Mellerの手術書2)にも指摘されている。しかしながら次に列挙する項目は,予後不良を推定せしめる条件として,衆論の一致するところである。1)発病後長期を経た古い剥離,2)網膜の強い萎縮変性,皺襞形成,結合織増殖等剥離した網膜自体に強度の変化を伴うもの,3)巨大裂孔,並に多数の裂孔又は類嚢胞変性が広汎に認められるもの,4)網膜剥離が高度広大で,臥床安静又は網膜下液穿刺排除にて減少が著しくないもの,5)無裂孔剥離,6)硝子体変化の強いもの,7)無水晶体眼。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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