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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科13巻5号

1959年05月発行

文献概要

臨床実験

反射光電プレチスモグラフによる眼底血管径の動搖の新しい記録法について

著者: 池上芳男12

所属機関: 1名古屋大学眼科学教室 2名古屋大学第一生理学教室

ページ範囲:P.831 - P.834

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1.緒言
 わが生理学教室においては皮膚圧反射の末梢のindicatorの一つとして,皮膚における血管系の動揺を連続的に,身体の各部において同時的に記録する方法がとられている。従来は主として,透過光電プレチスモグラフが採用されているが,教室では反射光電式のプレチスモグラフを用いた結果,全身皮膚表面のどこにおいても,血管系の変化を記録することが可能となり,興味ある結果が報告されつつある。しかるに,循環系の研究には皮膚のみならず,身体内部の血管における変化をも知ることが極めて重要であつて,そのために今回は皮膚に用いたのとほぼ同様の原理の下に,眼底の血管の状態を知ろうとした。
 Helmholtzの検眼鏡発明(1851)以来,眼底における長さの計測には,検眼鏡による直接計測,或は眼底写真による間接的計測法が工夫考案され,直接肉眼をもつて,或は附属装置をもつて,正確に観察し或は計測することが出来るようになつた。これらの方法には非常に多くのものがあるが,特に最近三国,米山等は眼底血管径の計測器を作製して1),これに対する薬物の影響及びその他の効果を観察報告している2)3)4)5)6)7)。しかしながら,これらは連続記録ではないので,その時間的変化を追求出来ない憾みがある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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