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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科13巻5号

1959年05月発行

文献概要

臨床実験

老人性白内障に対するParotinの効果

著者: 油井直行

所属機関:

ページ範囲:P.834 - P.840

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 緒方名誉教授等の唾液腺ホルモン剤Parotin(P.)は中胚葉性器官,組織の発育,栄養に欠くべからざるものとされ,内科方面で関節,胃等の疾患に広く利用される一方,眼科でも老人性白内障の治療に試みられ,昭和29年萩原教授等に依つて白内障の進行停止の効果が認められたが,当時の発表は極めて控え目であつて,全身投与群,局所投与群共約半数に視力の改善が認められ,筆者も亦7例にこれを試み,約半教の4例に視力の増進を認め,P.は初発白内障の進行を停止せしめるのみならず,約半数に視力の改善を見る旨をさきに報告した。併し本療法の実験は相当長期間を要し,且つ相手が通院に支障を起し易い老人であるためデータをとるのに骨が折れるので其後追試の報告が余り見られない様である。
 筆者は30年度以来引き続きP.を老人性白内障に使用しており,その効果に見るべきものがあるので,観察期間の不十分なものが多いが,1カ月以上P.を使用した34名につき概略を報告して御批判を仰ぐ次第である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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