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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科13巻5号

1959年05月発行

文献概要

談話室

川喜田教授著「病原微生物学よりみたトラコーマの諸問題」と題する論文を拝読して(2)

著者: 金田利平1

所属機関: 1札幌天使病院眼科

ページ範囲:P.899 - P.902

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第3章 トラコーマ症候名説を主張するのは決して私等2,3人ではありません
 川喜田教授は本誌17頁に「たしかにトラコーマが一つのspecificなmicrobial agentによつておこることを疑う人は今日まずないだろうと考えられる」23頁に「トラコーマがウイルス病の一つであることを今日人は疑わないが」26頁に「トラコーマをウイルス病とみなす充分な根拠がある」と記載されてますが私はすべてのトラコーマが一定のウイルスの感染によつてのみ発病するという説には絶対に賛成出来ません。その根拠の一部は最近の眼科雑誌にのべました。鈴木教授は種々の根拠からトラコーマとは原因的病名ではなくて,症候名である。我々が日常臨床で取りあつかつているトラコーマは単一のウイルスのみの原因によつておこる眼病ではなく他にも原因がある,病因は単一ではない,トラコーマ症候名説,2原論を主張する方であり,大石教授も同様な見解の方であることも川喜田教授は充分御存知のことでしよう。藤山教授著昭和26年発行の「トラコーマの病原」三井助教授著日本眼科全書「トラコーマ」を御覧になればおわかりの様に日本にも外国にもトラコーマは一定の病原体,ウイルスの感染によつてのみ発病するという論に川喜田教授も主張される様なトラコーマウイルスが必要(須)不可欠の病因であるとする論に異義を主張した眼科医もおつたということは川喜田教授もおわかりのことで御座いましよう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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