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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科13巻6号

1959年06月発行

文献概要

綜説

Lichtkoagulationのその後の進歩について

著者: 坂上英1

所属機関: 1京都大学医学部眼科教室 2ボン大学医学部眼科教室

ページ範囲:P.915 - P.926

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I.緒言
 Meyer-Schwickerath教授のIdeeに基くLichtkoagulationの我国への紹介は百々教授が眼科最近の進歩1)の中で簡単にふれて居られた秋山氏の詳細な報告2)があり,更には萩原教授3),神鳥教授4),田川5),久保木氏6)等もこれにふれて居られる。
 Meyer-Schwickerathが日蝕観察により黄斑部障碍をおこしている患者を診察し,これを黄斑部裂孔の閉塞に応用し得ないだろうかと考えついたのが1946年春のことであり,幾多の基礎的条件に関する家兎実験をつづけ,一応Lichtkoa-gulatorを完成し漸くにして人眼に於けるLi-chtkoagulationに成功するに至つたのは,1949年の春である。この間の彼の苦労についてはその後約3年にわたる臨床実験を重ねて初めてその成果を眼科学会に問うた1954年の論交7)の中に詳細にのべてあり,「無数といつてよい位の実験を行い,それが思う様にゆかない時私はいつも果して光線による人眼網膜の凝固ということが可能であろうかという疑問に悩まされた。しかしながら日蝕観察によつて網膜の障碍がおこるという動かし得ない臨床所見が私を励ましこの方法の実現への希望をもたしてくれた」とその創造への苦しみを語つている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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