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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科13巻7号

1959年07月発行

文献概要

臨床実験

網膜色素変性症と組織療法について(その2)

著者: 小山田和夫1 湖崎克1 渡辺千舟1 和田光彦1

所属機関: 1大阪医大眼科教室

ページ範囲:P.1029 - P.1032

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1.緒言
 先に私等1)は,網膜色素変性症と組織療法との結び付きを検討する手がかりとして,一方では,臨床実験として同疾患患者に対する組織療法の影響を,視力,Flicker値,視野,及び暗順応について検索し,又他方では,基礎実験として健常家兎眼の網膜組織呼吸を1つの指標とする組織療法の影響を検討した。
 その結果,中等度以上に病勢の進行した網膜色素変性症に対しては,組織療法は,視力及びFli-cker値には稍々改善的に働くが,視野及び光覚には有意の改善を与えないこと,一方,健常家兎眼の網膜新陳代謝中,呼吸作用を亢進せしめるが,解糖作用には影響を与えないことを述べ,組織療法には魅力が無いではないが,更に深く検討の要があること,及び,従来よりのこの問題に対する諸家の見解が皮相的に過ぎることを指摘した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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