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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科13巻7号

1959年07月発行

文献概要

臨床実験

人血清γ-グロブリンの眼科的応用

著者: 宗保人1 須賀純之助1 植村恭夫1

所属機関: 1慶大眼科教室

ページ範囲:P.1038 - P.1042

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緒言
 最近,眼科領域に於ても,ヴイールス性疾患に対する関心がたかまつて来ている。抗生物質による治療が進歩し,広範囲に使用されるようになつた為に細菌性感染症が減少して来ていることは実地医家の均しく認めるところである。トラコーマ以外で,其の治療に関し興味あるヴイールス性疾患には,流行性角結膜炎と角膜ヘルペスが挙げられる。流行性角結膜炎(以下EKCと略す)の原因としては,近年Adenovirus群が注目され多数の学者によりこれを病原体と決定すべき根拠が次々と立証されている。かくの如き小型ヴイールスによる疾患群に対する治療法は,内科方面で行われている様な抗体利用によるものが考えられる。その方法としては,Vaccine,回復期患者血清等が正統的なものであろうが,日常の診療に多忙を極める実地医家にとつては利用価値は低いとみなければならない。そこで,著者等は同様の効果を期待して人血清γ-グロブリンの治療上への応用を試みてみることとした。γ-グロブリンは小型ヴイールス性疾患である麻疹に対しては驚異的効果を現わすことは周知のことであり,眼科領域に於ても,EKC,パラトラコーマ等に対する臨床的応用が報告されるようになつて来た。
 今回,著者等はEKCと角膜ヘルペスの両者に就て,γ-グロブリンの臨床的効果を検討し,若干の成績を得たので茲に報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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