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文献概要
臨床実験
虹彩ルベオージスを伴つたKimmelstiel-Wilson症候群の1剖検例
著者: 天羽栄作1 羽飼昭1
所属機関: 1慶大眼科教室
ページ範囲:P.1043 - P.1051
文献購入ページに移動緒言
糖尿病に対する治療が進歩して来たために糖尿病患者の寿命が延長した半面,合併症も多く見られるようになつて来た。然し各種の全身的障害に比較すれば,眼障害は割に少ないものの部に属するであろう。而もその眼障害の中でも糖尿病性網膜症,虹彩毛様体炎,糖尿病性白内障の発生に比較すれば虹彩Rubeosisは更に稀な合併症である。著者等は昭和32年より本年にかけて糖尿病患者を比較的に多く観察する機会を得たが,その中に1例の虹彩Rubeosisの患者に遭遇し,病理組織学的に検索することが出来た。文献によると虹彩Rubeosisの報告例は少なく1),病理組織学的に検査し記録した例は,Kurz (1937)2),Fehr-mann (1939)3),Fralick (1945)4),Gartner(1950)5),本邦では良知・藤原(1955)6)である。而も本症例は他に糖尿病性網膜症,腎にはKim-melstiel-Wilsonのhyalin nodulesを見出したので,此処に報告して各位の御参考に供したい。
糖尿病に対する治療が進歩して来たために糖尿病患者の寿命が延長した半面,合併症も多く見られるようになつて来た。然し各種の全身的障害に比較すれば,眼障害は割に少ないものの部に属するであろう。而もその眼障害の中でも糖尿病性網膜症,虹彩毛様体炎,糖尿病性白内障の発生に比較すれば虹彩Rubeosisは更に稀な合併症である。著者等は昭和32年より本年にかけて糖尿病患者を比較的に多く観察する機会を得たが,その中に1例の虹彩Rubeosisの患者に遭遇し,病理組織学的に検索することが出来た。文献によると虹彩Rubeosisの報告例は少なく1),病理組織学的に検査し記録した例は,Kurz (1937)2),Fehr-mann (1939)3),Fralick (1945)4),Gartner(1950)5),本邦では良知・藤原(1955)6)である。而も本症例は他に糖尿病性網膜症,腎にはKim-melstiel-Wilsonのhyalin nodulesを見出したので,此処に報告して各位の御参考に供したい。
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