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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科13巻8号

1959年08月発行

文献概要

臨床実験

眼精疲労の臨床的観察—第1報 初診時所見と症状の持続

著者: 保坂明郎1 高垣益子1

所属機関: 1東京医科歯科大学眼科

ページ範囲:P.1117 - P.1120

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(1)緒言及び観察方法
 眼精疲労についての業種は非常に多く,古くは初見氏,稲葉氏等の研究があり,所謂筋性及び調節性の疲労が確認され,次いで萩原氏は調節,輻輳相対性の疲労を,中島氏等は輻輳衰弱を追加した。疲労の起り方については江原氏,松原氏等の研究があり,本態については宇山氏,大草氏等が疲労物質の蓄積と,それに対する耐性を仮定し,北川氏は全身状態との関連を重視し,ストレス学説による見解を示した。萩野氏等は主として調節に関して環境との関連を述べ,服部氏,前田氏は神経症の意義を強調した。また数年来,大塚教授と保坂は不等像視の問題を取り上げ,その追試を行つた。
 眼精疲労の基礎的な面について,このような多彩な研究が見られるのに反し,臨床的な観察は,例えば調節障害とか輻輳障害とかの一部に限られ,眼精疲労全般にわたつての観察は見当らず,僅かに金氏,最近では西川氏が簡単な統計を記載しているに過ぎない。眼精疲労患者を診察する場合,その主原因は何かと判断に迷う場合が非常に多いのは誰しも経験する所である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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