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臨床実験
ジアテルミー電気凝固術の奏効せるHippel氏病の1例
著者: 佐野正純1
所属機関: 1岐阜医大眼科
ページ範囲:P.1138 - P.1141
文献購入ページに移動 Hippel氏病とは1)網膜動静脈が著るしく拡張蛇行し,且その色調は両者共暗赤色を呈し両者の鑑別が困難であり,2)網膜上に赤色嚢状の血管腫を認め動静脈が之に出入して居り,3)眼底に大小不規則な小白斑を認め,4)時には中枢神経系稀には全身の諸臓器に血管腫を認め,4)終には網膜剥離又は続発性緑内障を起して失明する等の特異な疾患であつて1888年Fucksが初めて報告し,続いてLeplat,Wood等数氏も唯単に珍奇な眼疾患として之を見,深く注目しなかつたものの様である。所が1904年Hippelが之を網膜の甚だ稀有な疾患と題して詳細に報告して以来注目する所となり,同氏が1911年第2例を仔細に観察して,本症の本態は網膜血管腫症(Angioma-tosis retlnae)であると称えるに至つた。その後1926年Hippel氏病は網膜のみでなく中枢神経系とも密接な関係があり,網膜血管腫と脳血管腫とは発生を共にするものだとLindowが発表して以来,Hippel-Lindow氏病と呼ばれる様になつた。
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