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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科13巻9号

1959年09月発行

臨床実験

カタリンによる網膜色素変性症の治療

著者: 水野勝義1 上杉もと1

所属機関: 1名大眼科教室

ページ範囲:P.1227 - P.1237

文献概要

緒言
 実験網膜色素変性に関する生化学的実験の結果,網膜色素変性症の成因は,網膜の外境界膜と硝子膜の間に存在する,blood-retinal barrierの中の解毒機構たる,モノアミンオキシダーゼ及び,硫酸抱合酵素の障害に基いて,蓄積したカテコールアミンが酸化し,アドレノクロムとなり網膜外層を,選択的且つ特異的に破壊し,ここに網膜色素変性が発生すると云う仮説は,既に水野1)が発表した。此の報告に於いては又,これらカテコールアミン又はアドレノクロームを解毒する目的で用いた,グルクロン酸及びコンドロイチン硫酸に依る抱合解毒よりも,むしろアドレノクロームをカタリンに依つて,競合解毒する方法が動物実験に於いても,臨床実験に於いても,すぐれている事が報告されている。私共は,網膜色素変性の患者16名に,カタリンを主とした治療を行い,その経過を観察し,見るべき効果を収めたので,ここに一括して報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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