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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科14巻1号

1960年01月発行

臨床実験

妊産婦の眼底変化について

著者: 本橋昭男1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.54 - P.61

文献概要

 妊娠中毒症の際にはしばしば子癇や弛緩性出血がおこつて妊産婦の生命をおびやかし,腎炎や高血圧症を後遺し,あるいは胎児の死亡率も高いので,妊娠中毒症は産婦人科領域における重要な疾患の一つである。また,妊娠蛋白尿性網膜炎,子癇性網膜炎および子癇性黒内障をおこすことがあり,眼科領域における重要な疾患でもある。最近妊娠中毒症の眼底所見は,中毒症の診断,病状の程度および予後の判定に欠くことのできない重要な症状とされ,眼底検査の必要性が一般に知られるようになつた。妊娠中毒症の眼底変化に関する業績は1855年Albrecht von Graefeが網膜剥離を伴なつた網膜症を報告して以来今日まで数多くの報告がある。著者は最近正常妊産婦142例,中毒症妊産婦58例,計200例の分娩直前および産褥1週の眼底をしらべ,また,分娩時出血量と眼底所見との関係をしらべたので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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