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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科14巻10号

1960年10月発行

文献概要

臨床実験

網膜剥離眼に於ける眼圧調整機序の様相に就いて—第5篇 飲水試験について

著者: 森寺保1

所属機関: 1京大眼科

ページ範囲:P.1489 - P.1496

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緒言
 特発性網膜剥離眼に於ては眼圧値は既報の如く本症の約43%は正常眼圧域より下降し,又一部約5%に於ては裂孔,及び病竈に由来する毛様体の刺激状態がもたらしたと考えられる眼圧異常昂進例を認めた事も既に報告した。
 しかし乍ら前者眼圧の下降を招来したものの中には,不安定試験,Tonography,の結果より見て,正常眼,緑内障眼の如き観念では律し得ない現象に屡々遭遇した。即ち,眼圧の著明な下降,或はTonographyに於ける測定不可能に至る迄の下降,又頸部圧迫による眼圧下降,及び手術的加療による下降の回復等,換言すれば,毛様体の眼圧調整機能と相俟つて,裂孔より葡萄膜系血管に向う異常後部流出路の存在が本症眼圧下降の主原因を為すのではないかと思考するに至つたのである。そこで眼内液流出の一面を知る為にLe-ydecker,の方法に倣い水飲試験を行いその結果を茲に報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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