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臨床実験
ケナコルトの臨床的検討
著者: 百々隆夫1 富井宏1
所属機関: 1京都府立医科大学眼科教室
ページ範囲:P.1525 - P.1528
文献購入ページに移動I.まえがき
コーチゾンに始まる合成副腎コルチコステロイドの治療的役割が,刮目にあたいすることは今更云々するまでもない。又,これらコルチコステロイドの眼科的応用範囲の広いことも既に知られている。しかもこれらは,その抗炎症作用,抗アレルギー作用を増強し,副作用を減少させようとして,新製品がつぎつぎにつくり出されている現状である。従つて,これら製品の臨床的応用をあつかつた報告は,新製品が旧製品にまして応用範囲がひろく,且つ新製品の力価が旧製品の力価の幾倍であるかを臨床的に確認しているものが多い。
吾々の今回の臨床実験においても,先人の報告と同じ傾向であることを認める。しかしながら,コルチコステロイドが一見効果をみないような例でも,疾患の性格の上からみて本製剤が当然作用しなければならないと考えられる場合には,或は既に充分とされている投与量よりも遙かに大量を投与することにより,或は用いられる時期により,著効を得ることを経験したので,あわせて報告する。
コーチゾンに始まる合成副腎コルチコステロイドの治療的役割が,刮目にあたいすることは今更云々するまでもない。又,これらコルチコステロイドの眼科的応用範囲の広いことも既に知られている。しかもこれらは,その抗炎症作用,抗アレルギー作用を増強し,副作用を減少させようとして,新製品がつぎつぎにつくり出されている現状である。従つて,これら製品の臨床的応用をあつかつた報告は,新製品が旧製品にまして応用範囲がひろく,且つ新製品の力価が旧製品の力価の幾倍であるかを臨床的に確認しているものが多い。
吾々の今回の臨床実験においても,先人の報告と同じ傾向であることを認める。しかしながら,コルチコステロイドが一見効果をみないような例でも,疾患の性格の上からみて本製剤が当然作用しなければならないと考えられる場合には,或は既に充分とされている投与量よりも遙かに大量を投与することにより,或は用いられる時期により,著効を得ることを経験したので,あわせて報告する。
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