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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科14巻10号

1960年10月発行

文献概要

眼科新知識

多原色仮説—中心窩錐状体視質の種類に就いて

著者: 堤修一1

所属機関: 1横浜逓信病院眼科

ページ範囲:P.1561 - P.1568

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はじめに
 私は,昨年本誌13巻6号の「色覚のはじまり」と云う小論のむすびで,以下の様に決論した。人間の錐体視質も,錐体外節の非常に薄い層状互層構造の円板内に含まれて,入射光粒子により光解離を起し,陰陽イオンが上・下のリポイド層に移動吸着して界面電位を生じ,丁度積層乾電池の様な形となる。此の変化が遂に色覚中枢へ伝わり色覚を生ずると考えられる。がしかし,私が此の時に得た絶対視感度曲線(?)から,いきなり幾種類かの錐体視質の存在を推定するのは,些か飛躍にすぎると。
 今回は多少方法を異にして,人間の錐体外節に含まれているらしい錐体視質の存在と種類とを今一歩,稍々詳細に具体的に捕え得たと考えるので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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