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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科14巻11号

1960年11月発行

文献概要

特集 故佐藤勉教授追悼号 屈折

角膜の形状に関する研究—(1)フォトケラトスコピーの検討と,角膜曲率の部位的分布の正常値について

著者: 西咲子1

所属機関: 1順天堂大学眼科

ページ範囲:P.1600 - P.1635

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1.緒言
 眼の光学系の主要部分を占める角膜に関して,その光学的特性と密接な関係をもつている角膜形状の研究は,すでに約200年前,ペティー8)の銅板法による最初の試みにはじまり,更にトーマスヤング8),コールラシュ8),ヘルムホルツ8),その他の人々によつて漸次計測方法が研究されてきたが,何れも臨床的な応用を見るに至らなかつた。その後,約100年前,はじめて臨床的に有用なオフサルモメーターが,ジャバル6)8)によつて完成され,爾来之は,非常に広く応用されてきてはいるが,オフサルモメーターの測定に於いては,角膜表面が幾何学的球面であると仮定して,その一部分の曲率半径が測定されるにすぎない。この点が,全角膜の解剖学的に正しい真の形態を究める上の重大な欠点である事は,すでに周知の事である。その後1897年に至り,グルストランド5)8)は,ジャバルのオフサルモメーターに基づいて,オフサルモメーターの標板の代りに,発光環を用いる事により,その角膜による反射環像を写真フィルムに固定し,之を測定計算する方法,即ちフォトケラトスコピーを完成した。之は更にアムスラー5)8)等によつて次第に改善されてきたが,この方法によつて,計算を用いて近似的に角膜前面の曲率半径を求める事により,はじめて全角膜の正しい形状を知る事ができるようになつた事は今更述べる迄もない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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