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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科14巻11号

1960年11月発行

特集 故佐藤勉教授追悼号

屈折

水晶体摘出による高度近視眼の屈折状態の変化 補遺—附・水晶体偏位症の屈折状態

著者: 柴田博彦1 神吉和男1 天野清範1

所属機関: 1順天堂大学眼科

ページ範囲:P.1670 - P.1676

文献概要

I.緒言
 高度近視眼に水晶体摘出術を施行し屈折状態の軽減を計る方法はフカラ氏手術と呼ばれ従来多くの人々により試みられ,その成績の発表も可成り見られる。柴田・神吉1)は先に順天堂大学眼科に於て1951年より1957年の間に行なつたフカラ氏手術の症例170眼につき,種々の面より詳細な検討を行ない発表した。近年コンタクトレンズの発達,普及により,フカラ氏手術の適用範囲は著しく狭くなつた事は事実である。教室でも,その後フカラ氏手術の症例が少く,詳細な検討を多数例に行なうのは困難となつた。しかしその後の症例に於て,術前に球後空気注射X線写真撮影により眼軸長を測定2)(以後気軸法と略す)し,水晶体屈折力を算出した後,水晶体摘出術を施行した症例に於て,屈折力の滅少を比較し,他の屈折要素との関係を検討し得たので報告する。なお屈折異常の異型として水晶体偏位症の4例5眼の眼軸長を測定し,更に水晶体のある部分及び無い部分より検影法で屈折状態を求め,眼軸長を算出し,気軸法による眼軸長測定と共に屈折要素の関係を比較し得たので附してここに発表する事とした。
 従来眼軸長の測定は我々の測定法の他に,無水晶体眼より計算により求める方法,X線光覚法,Phacometryにより求める方法,更に最近では超音波による方法とあるが,同一眼に於て同時に二つの方法を試みて発表した報告はない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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