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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科14巻11号

1960年11月発行

文献概要

特集 故佐藤勉教授追悼号 コンタクトレンズ

コンタクトレンズの球面収差について

著者: 平野東1 曲谷久雄1

所属機関: 1順天堂大学眼科

ページ範囲:P.1715 - P.1722

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I.緒言
 コンタクトレンズのベース・カーブは患者の角膜の曲率半径によつて定まる。又コンタクトレンズの前面のカーブは,ベース・カーブと患者の屈折異常からガウスの領域における計算を基にして設計される。コンタクトレンズのように光学面の曲率半径が小さい場合には,その面に平行光線を入れた場合の入射角は可成り大きく,一般の光学機械に較べればはるかに大きい。従つてコンタクトレンズの場合近軸光線を除く周辺光線においてはレンズの周囲に近づく程光線の入射角は益々大となり屈折の程度も大となる。これは即ち球面収差であつてコンタクトレンズのように比較的強い曲率のレンズでは存外無視し得ないものでるる。そこで実際に入射角を基に各種のコンタクトレンズにつき収差を計算してみることにした。又角膜コンタクトレンズではレンズは眼の光軸と一致して装着されるべきものであるので,その光軸上の分解能が非常に重要である。一方レンズの検定の際の誤差を除去する目的でコンタクトレンズの球面収差を検討する事にした。この結果は著者等が臨床上遭遇する2,3の事実の解明の基となつた。そこでその収差の計算内容を記述すると共に球面収差を補正したコンタクトレンズというものを検討してみた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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