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特集 故佐藤勉教授追悼号 手術
二重周辺虹彩切除について
著者: 今野信子1 染谷万喜2 富山咲子2
所属機関: 1順天堂大学眼科 2四谷新宿眼科
ページ範囲:P.1949 - P.1952
文献購入ページに移動Diamox等の眼圧降下剤が発見されてから,緑内障に対する虹彩切除の重要性は比較的減じたかのようにみえる。しかしこれらの薬物は緑内障を根本的に治すものではなく急性縁内障に於てはやはり早期に虹彩切除を行うのが最も良い処置ではないかと思う。
しかし乍ら普通の虹彩切除法で十分な虹彩切除を行おうとすれば,全虹彩切除となり,瞳孔括約筋が切られるから羞明や視力低下等の嫌うべき後貽症を残すことになる。殊に初期の緑内障の場合にこれを起したならば,医師は決して感謝されるものではない。また単一な周辺虹彩切除では,その効果が弱いようである。そこでこれらの欠点を補う為に,これから述べる二重周辺虹彩切除(第1図)を行つたのである。
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