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臨床実験
網膜剥離眼に於ける眼圧調整機序の様相について—(第6篇)フルオレスチン透過性試験の成績に就いて
著者: 森寺保12
所属機関: 1京大眼科 2大津市民病院眼科
ページ範囲:P.2020 - P.2025
文献購入ページに移動 第1〜5報に発表した如く網膜剥離眼の眼圧値はまづ第1に裂孔の存在により左右され,第2にその裂孔周囲の一次的乃至二次的病変(例えば類嚢脆性変化)等が直接或は間接毛様体に影響せるか否かによつて眼圧値は種々の値を示す事を知つたのである。即ち全症例の17%のみが正常眼圧値を示したが,76%は正常眼圧以下に下降し,6%は明かに上昇し不安定性を示したのである。又術後になると手術的加療により,裂孔が閉鎖され,且又病的侵襲の排除により一部眼圧値が回復し眼圧調整機序の正常化を示すものもあるが(43%),猶一部に於ては,眼圧が依然低眼圧を維持し,一部に於ては更に下降を示す症例もあり,病的及び手術的侵襲が毛様体の機能を再生不起に至る迄影響せるものと思考されるが如き例にも遭遇する。そこでこの毛様体の分泌機能の一端を知る為フルオレスチン(以下Flと略)を静脈内に負荷し前房への出現時間を測定し房水産生状態を検討し且又前房隅角よりシュレム氏管を経過する前方排出路と,脈絡膜血管系への眼内液(網膜下潴溜液)の移動及び吸収によると考えられる後部排出路の存在と,各々の流出度の比重を知る為,その出現時間,消失時間について追時的に考察検討を行つて見た。
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