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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科14巻12号

1960年12月発行

文献概要

臨床実験

遮光眼帯試験について(第1報)

著者: 岡田隆子1

所属機関: 1東京警察病院

ページ範囲:P.2062 - P.2067

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緒言
 緑内障眼は暗処に於いてその眼圧が上昇するという事は,最初Grönholn (1910)によつて注目され,ついでSeidel (1920),Serr (1928),Sall-mann (1930),Ohn (1936),Ross (1953),Higgitt (1954),Fould (1956)等多くの研究者によりこの事実は緑内障眼に於ける誘発試験として研究された。我国では本現象について緑内障に於ける明暗試験として須田氏(1956)の発表があり,黒瀬氏等(1959)は暗室試験を含む負荷試験と日差の関連性について論じた。
 同年武田氏は暗室試験に於て自律神経遮断剤の全身投与によりより以上の眼圧上昇を来すという事から,又田辺氏(1960)は狭隅角緑内障眼に於ける暗室試験の際,前毛様静脈圧を測定し眼圧上昇と共にその静脈圧にも変動を見る事から,それぞれこの試験によつて起る眼圧上昇の原因を探究している。従来暗室試験の陽性率は狭隅角緑内障に高く,隅角が暗闇による瞳孔散大のため益々狭くなり,終に閉鎖して房水の流出が妨げられ,その結果眼圧上昇が起るという説が支配的である。Foulds (1956)は緑内障の早期診断にDarkro-om-testとDarkroom outflow testを行つた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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