臨床眼科14巻12号

1960年12月発行

臨床実験

網膜異常血圧と陳旧性変化に対するJolethinの効果

著者： 山本由記雄¹ 並木緑也¹ 馬場みつ¹ 加藤美智子¹

所属機関： ¹都立駒込病院眼科

ページ範囲：P.2068 - P.2071

緒言
　柳氏は甲状腺機能亢進症に出現する中毒作用の強いTriiodothyroxineにヨードを，しかも200〜300γの微量のものを与えることによつて，Thyroxineが得られることを推定し，更に，従来のヨード剤内服による副作用を除外する目的で，ヨードにレシチンを結合させ，これをヨーレチンとして発表した。
　一方眼科におけるヨード剤使用の歴史は古く，内服，注射，イオントフォレーゼ，点眼と多岐にわたつて使用されているが，内服の点で私共は常にその適当な使用量に関して，又，その副作用に対して疑問をもつていた。幸いに1錠100γ又は50γという微量なヨード剤が手に入つたので，臨床実験を試みた次第である。本剤は第一薬品産業KK製のものである。